映画「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」感想その2
続きです。前回はこの作品を楽しむための前提を長々と書いたのでようやく、本編の内容について書こうと思います。
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームについて、私は4DXで鑑賞したのですが、
最高に面白かった
と誰に対しても言い切れる程に好きです。
話は前作の「スパイダーマン:ホームカミング」のエンディングからそのまま続けて今作が始まります。
敵の策略によりスパイダーマンの正体がピーターパーカーだと世界中に発信され、結果としてピーター1の恋人であるMJ等、親しい人達にも害が及んだことから、ピーター1はドクターストレンジという、MCU世界のアメコミヒーローの中で、
全部この人に任せとけば良いのでは
と思うくらい力がある奴等の内の1人に助けを求めます。
そして、なんやかんやあって、ドクターストレンジの魔術により「スパイダーマンの正体がピーターパーカーだと知る者」が次元を超えて召喚されてしまったので、それをどうにかしましょう。というのが今作です。
ワクワクしっぱなしの展開
スパイダーマンの正体がピーターパーカーだと知る者が次元を超えて現れる。この展開になった時に、私は思ったのです。
今までの強敵と闘うのか。これは熱いな
と、そして現れる
ピーター2世界のドクターオクトパス、グリーンゴブリン
あまりの懐かしさと嬉しさ、ピーター1がこれらの強敵をどのようにして倒すのかという期待感で胸が一杯になっていました。
その後もピーター3の世界の強敵達も現れ、序盤から戦闘の連続です。
しかし、ここまでは、割とよくあるアクション映画の展開なのです。過去の強敵が協力してくるのをどのようにして打ち破り倒すのか。定番であり王道の展開ですが、悪く言うならありきたりな展開。
しかし、このスパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームという作品は一味違います。
私自身は全く予想できませんでした。まさか、
スパイダーマンがドクターストレンジと闘うなんて
世界に影響を与える魔術を使えるドクターストレンジに相対するとは、ピーター1は無謀にも程があり、観ていてハラハラしました。いや、勝ち目ないでしょ、どうするつもりなの?と。
さらには過去の強敵達のことを知ったピーター1が選択したのは、
敵を倒すのではなく救いを与える
というもので、この展開にも驚きました。
過去シリーズを見てきた私にとっては、グリーンゴブリン等強敵達は、
既に死んでいる人物であり、倒されるべき悪人(1人除く)
というイメージしかありませんでした。ようは死んで当然だと思っていたのです。
ピーター1は彼等の犯した罪を知らないとはいえ、スパイダーマンの敵だったことを知りながらも、なんとかして救いたいと考えていたのです。私にはなかった発想と展開にワクワクしかありませんでした。
結果として、この敵を救うという選択がピーター1にとって最悪の損失を決定付けたのですが、私は敵も救おうとしたピーター1が大好きです。俳優のトム・ホランドまで特に理由も無く好きになってしまったくらいに。
ピーター1、ピーター2、ピーター3
それから、敵を救おうとしたピーター1は、救おうとした敵によって、身体も心もボコボコに打ちのめされます。
ピーター1のシリーズは他のスパイダーマンより幸せな環境だったと思いますが、やはりスパイダーマンの宿命からは逃れられませんでした。
失意のどん底に落ちたピーター1は行方を眩ませ、MJ達はドクターストレンジの指輪を使って魔術でピーターパーカーを探します。
そして、「ピーターに会いたい」と念じたところ、空間に穴が開き、穴の向こうからやってきたのです。ピーター3が。
映画館で観た私は
リアルに「うぉぉ」と声が出ていました
まさか、別シリーズのスパイダーマンが出てくるとは驚愕でした。
よくよく考えれば、別シリーズの強敵も出ている上、
「スパイダーマンの正体がピーターパーカーだと知る者」には
スパイダーマン本人も含まれる
のですが、監督とか俳優の問題があると勝手に思い込んでいて完全に予想外でした。
次にピーター2も現れて、ピーター3と対面します。この二人の俳優がスパイダーマンをしていることが、懐かしすぎて嬉しかったです。
この後にピーター1・2・3の3人のスパイダーマンが揃うのですが、
スパイダーマン同士の掛け合い
や、
ピーター2、ピーター3のその後が少し語られる
のが今までの作品を観てきた私にとっては特に印象的で面白かったです。
孤独に闘い続けていたスパイダーマン達にとって同じ境遇で辛さを共感できる仲間がいることが本当に嬉しそうで観ていて微笑ましいです。
3人のスパイダーマンが揃ったことで、ノー・ウェイ・ホームという作品は、ピーター1だけの話ではなく、ピーター2とピーター3の続編であるとも思えました。
その後、最終決戦に挑むのですが、今までの各シリーズの集大成ともいえる場面の連続で、スパイダーマン達の連携アクションは鳥肌立ちまくりでカッコいいですし、
ピーター3がMJを救う
ところなどは、ピーター3の心情を思うと泣けました。
他にも、憎しみに囚われたピーター1を同じ経験をしたピーター2が止めるのも良かったです。
以上でスパイダーマン達が力を合わせて問題解決でハッピーエンド。だったら良かったのです。
しかし、そうそう上手くいかないのが悔しいですがスパイダーマンらしいとも言えます。
ラストでピーター1がとった選択は、愛する人達を危険な目に遭わせたくないというものですが、それは、
彼等の手を借りないもっと馬鹿バージョンの僕
になるってことなので、続編でハッピーエンドにしてもらいたいです。
最後に、話の都合で仕方ないとはいえ、ドクターストレンジには
やばい魔術ならしっかり話をしてから使ってください
大いなる力には大いなる責任が伴いますよ
と言いたい。ピーター1の責任にするのはちょっと横暴ですよね。
救われたのは
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームはただの続編ではなく、今までのスパイダーマンの集大成です。
CGアクションは文句無く素晴らしいですが、ストーリーについても、過去シリーズとクロスオーバーしながら、ただ敵を倒すのではなく、救う話に展開したことで先が読めない面白さがあったと思います。
パラレルワールドとはいえ、死ぬはずだった強敵達は救われましたし、救えなかった人を救えた世界を作れたピーター2やピーター3もある意味救われていると思います。
私としても、スパイダーマンの各シリーズを観てきた上で、ピーター2が打ち切られ、新しく始まったピーター3も2作で打ち切りになったことで当時からずっと、もやもやした気持ちが残っていました。
しかし、この作品で数年ぶりにピーター2とピーター3に会えて本当に嬉しく、私も救われた気持ちになりました。
あとはピーター1が救われるというか、報われる続編を楽しみに待っています。
以上、
ピーター1、ピーター2、ピーター3、君達大好きだ
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」はそんな作品です。